コラム

BOWLSTAR ソロインタビュー Vol.0:ドリームジェントルマン「私はピンを慈しむ男。むやみに倒すわけにはいかないだろう?」 正体不明の紳士、その仮面の内側

正体不明の紳士、その仮面の内側

――ドリームジェントルマン独占インタビュー

「なんというクールな取材陣、さすがの私も感服だよ。」

薄笑いと共に低い声を響かせ、彼は革手袋をそっと外した。
ピンにも人にも“紳士”であろうとする謎の男――ドリームジェントルマン。
自らを プロボウラー佐藤貴啓の兄 と名乗りながら、両者が同時に現れたことは一度もない。
新キャラクター 鷹のヒーロー TAKAHERO が姿を見せ始めた今、彼はいったい何を語るのか。
煙に巻くようで、しかし示唆に富んだ“独白”をお届けする。


夢のはじまり ――「レーンの上は舞台だ」

――まず、“ドリームジェントルマン”というペルソナを名乗るに至った経緯から教えてください。

「少年時代、夜のボウリング場で ピン の静かな佇まいに心を奪われたのだ。
打ち倒すよりも“敬意を払う”方がロマンチックだと悟ってね。
そこで私は“紳士”として彼らに接することを誓った。
そう、薄めのピンアクションこそ最高のエチケットさ。」

――兄弟説については? 貴啓プロと決して同時に現れないため“同一人物”説もあります。

「なんというクールな推理、さすがの私も感服だよ。
だが答えは――セブンテンのド真ん中と同じ、空白だ
真実を投げ入れれば必ず何かが倒れる。
私はピンを慈しむ男。むやみに倒すわけにはいかないだろう?」


紳士の流儀 ――“倒さない”ストライク

――薄めヒットを哲学にする理由は?

「ピンたちはダンスのパートナー。
激しく打ちつけるのは無粋というもの。
私は彼らをそっと誘い、最小限の衝撃で全員をステップアウトさせる。
その軌跡こそ Dream Line――夢見るように静かで美しいストライクさ。」

――スコアより美学を重んじる?

「ストライクは数字ではない、詩だ。
“300”という記録も、ひとつの句読点にすぎない。
大切なのは『どんな風に倒したか』というメロディだよ。」


石川の陣2025――“引退疑惑”の真相

――今年の石川の陣にて引退疑惑がありましたが、あの真相は?

「あの夜の私は“勝ち”よりも“余韻”を選んだ。
レーンに残したかったのは衝撃音ではなく静かな波紋。
観客が『今、終わったのか? 続くのか?』と首をかしげる――
その曖昧さこそ私の演出だよ。」

――では、引退はいつ?

「私が去る時──
それは貴啓がピンと向き合い、
勝敗でも賞金でもなく、
純粋な歓びだけを胸に投げられるようになった瞬間だ。
兄を名乗る仮面も、紳士という外套も、
彼の背を押すための影武者にすぎない。
影が不要になれば、私は自然と闇に溶ける。

私はDream Lineで観客の目を奪い、
彼はStrike Lineで観客の心を撃ち抜く──
その二重奏が完成したとき、
ドリームジェントルマンという旋律は静かにフェードアウトするだろう。
その時、私のアフロと蝶ネクタイは、
貴啓がボウリングを真に楽しみきった証としてレーンに残されるのさ。

その日が明日か十年後か?
答えは“ピン”と“レーン”だけが知っている。
観客諸君、耳を澄ましたまえ。
貴啓の投球から私の気配が完全に消えたとき──
それこそが、紳士退場の合図だ」

――“ぬるっと負け”という評について

「敗北というよりフェードアウト
観客が気づけば次のシーンへ流れている――
それが私の舞台転換術だ。
だからこそ噂が生まれ、物語が続く。
物語が続く限り、紳士は舞台袖で微笑んでいるものさ。」


鷹のヒーロー、TAKAHEROとの関係

――最近“鷹のヒーロー TAKAHERO”という人物が現れました。関係は?

「なんというクールな鷹の眼、さすがの私も感服だよ。
――が、私とヒーローは昼と夜のようなもの。
ヒーローは歓声を背負い、私は静寂をまとい、
月と太陽のように互いに補い合うことで私たちは完成する。
血縁か? 宿命か? 答えはレーンの先で確かめたまえ。」


クイック10問10答

QA
好きなオイルパターン「鏡面の湖のように、静かで深いもの」
勝負飯「無糖のダージリン。香りこそ武器だ」
口癖が生まれた瞬間「初めて②⑧⑩が残って負けた時」
ライバル「我が弟、佐藤貴啓。なんというクールなフォーム。」
尊敬する人物「ピンを立てた無名の整備員」
愛用ボール「ギアとオレンジインベーダー」
1ゲームで満足するスコア「詩が完成すれば、点数は句読点だ」
佐藤貴啓プロに一言「弟よ、背筋を伸ばせ。観客は見ている」
TAKAHEROに一言「空を駆け、地を照らせ。私は影を磨こう」
カメラの向こうの読者へ「なんというクールな好奇心、流石の私も感服だよ」

“紳士”宣言――未来のレーンへ

「ボウリングの未来はエレガンスとエンターテインメントの融合にある。
派手さもいい。だが、その核に礼節がなければ魂のない花火だ。
私はレーンに立つたび、ピンに一礼し、観客に微笑み、
こう囁く――
『なんというクールなフォーム、さすがの私も感服だよ。』
その言葉の意味が届く限り、私は夢を紡ぎ続けよう。」

謎は深まりこそすれ、彼の言葉は確かにレーンを照らす。
次に現れるとき、ドリームジェントルマンはどんな“一投”で私たちを魅了するのだろうか。

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