本記事はボウリングの従来のスコア計算法と新しい計算法でスコアにどれほど差が出るのかを計算機でシミュレーションしたものになります。
これを読んでいる皆さんのほとんどが一度はボウリングをしたことはあると思いますが
「スコア計算がややこしい」という感想をお持ちの読者も一部はいると思います.
従来のスコア計算法
ここでボウリングの従来のスコア計算についておさらいしてみましょう.
そしてスコアの計算法は、以下の3つの原則で計算されます.
1. ストライクを出すと次の2投で倒したピンの本数+10本がストライクを出したフレームの点数になる.
2. スペアを出すと次の1投で倒したピンの本数+10本がスペアを出したフレームの点数になる.
3. オープンをした場合はそのフレーム2回で倒したピンの本数がフレームの点数になる.
では実際に計算をしてみましょう. Xはストライク、/はスペア、Gはガターを表します.
いかがでしょうか. 最初の1フレームは ストライクの後 9+1=10 本倒しているので 10+10 =20がつきます
次のフレームはスペアなので3フレーム目の一投目に倒したピン+10 = 9+ 10=19が点数に加算されます.
以下同様に計算していきます.
ただし10フレームに関しては注意が必要で9フレームの点数に10フレームで倒したピンの総本数が加算されます. これでスコアの計算が終了です.
ボウリングの新しいスコア方式とは?
以上のように従来のボウリングのスコアは次に投げる時のピンの倒れた本数を気にしなければならず計算がやや煩雑になります. そこでボウリングの新しいスコア計算法が提案されました.
その名もカレントフレーム方式です. この計算法は非常に簡単で、
1. ストライクを出すと30点がフレームの点数になる.
2. スペアを出すと**そのフレームの一投目**に倒したピンの本数+10点がフレームの点数になる.
3. オープンをした場合はそのフレーム2回で倒したピンの本数がフレームの点数になる.
4. 10フレームは他のフレームと区別しない
というものになっています.
10フレームも最大で2投というのも大きな違いです.
カレントフレーム方式は計算の簡略化を図り導入が検討されていて、先月のインドネシアのパレンバンで行われたアジア競技大会でもそのスコア方式が導入されました.
この方式だと先ほどのスコアはどのように計算されるのでしょうか? ただし、10フレームは他のフレームと区別しないということから10フレームはストライクにします.
となっています. 計算が単純でわかりやすい上に「点数もでる」のが特徴だと思います.
このカレントフレーム方式は単発のストライクが従来のターキー(3連続ストライクのこと)に相当するので、ご覧のように点数が出やすくなっています.
最近導入されたものの、一般人はおろかボウラーですら馴染みの薄いこのカレントフレーム方式が従来と比べてどれぐらい点数に差が出るのかをさまざまなレベルのボウラーのデータを用いて、シミュレーションで比較してみました.
実際に筆者の過去1年間のアプリで記録した、ボウリングのスコアデータを実際にパソコンで計算させてみました.
筆者のデータとしてボウリング歴は5年目でアベレージ200程度の中級者です.
![](https://bowlstar.jp/wp-content/uploads/2018/11/Current_and_Original_tsutsumi_-300x300.png)
青が従来のボウリングのスコア、オレンジがカレントフレームでのスコア 縦軸は回数を表していて 横軸は点数を表しています.
青とオレンジだとトレぐらいスコアに差が出るんでしょうか?
差をみるために スコアの平均値とばらつき(大きければ大きいほどスコアのブレが大きい) を算出させてみました
すると従来の方式だと アベレージは200 ばらつきは25.5になりました.
ところがカレントフレームになると、 アレベージが226 ばらつきは24.5 になりました
なんと驚くべきことにアベレージが26も上がりました!!
カレントフレームで投球すると各ゲームおおよそ30程度上がるのはすごいですね…
ほかにもいろんな人のデータを持ってきました 例えばアベレージ180、ボウリング歴2年目の初心者の人のデータをお借りして
計算すると、
![](https://bowlstar.jp/wp-content/uploads/2018/11/Current_and_Original_tsutsumi2_-300x300.png)
同様に、青が従来のボウリングのスコア、オレンジがカレントフレームでのスコア 縦軸は回数を表していて 横軸は点数を表しています.
すると従来の方式だと アベレージは181 ばらつきは25.4になりました.
ところがカレントフレームになると、 アレベージが206 ばらつきは27.3 になりました
なんと200アベに到達してしまいました! これは驚きですね しかも同じようにアベレージが25程度上がっていますが
ばらつきがやや大きくなっていますね.
最後に本当に上手い人はどれだけアベレージが上がるのかが気になりますよね?
今回はとあるボウリングのナショナルチームの方のデータをお借りしてシミュレーションさせてみました!
すると、
![](https://bowlstar.jp/wp-content/uploads/2018/11/Current_and_Original_ishimoto_-300x300.png)
同様に、青が従来のボウリングのスコア、オレンジがカレントフレームでのスコア 縦軸は回数を表していて 横軸は点数を表しています.
すると従来の方式だと アベレージは223 ばらつきは24.7になりました.
ところがカレントフレームになると、 アレベージが247 ばらつきは21.3 になりました
なんとこんな上級者でもアベレージが24も上がりました! しかもアベレージが驚異の250近くあるのはすごい…
まとめ
このようにカレントフレーム方式だと おおよそ20程度アベレージが上がることがわかりました
やはりカレントフレームは点数が本当に出るようです
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